過去のお話 その1
●○日露戦争とは
井上ひさし氏の戯曲『しみじみ日本・乃木大将』のなかに象徴的なセリフがあります。
「明治天皇……乃木、われわれの、この明治という時代は、さまざまな場所で、さまざまな人々が、忠臣や、篤農や、節婦や、孝子などの型を演じ、その型を完全させ、周囲の手本たらんとつとめる時代なのだ。
国民に型を示し、そのうちのひとつを選ぱせる。
これが国家というものの仕事なのだ」
昭和20(1945)年8月15日までの20世紀前半の日本帝国は、しみじみ想うに、井上氏のこのセリフでつくされているような国家であったといっていいようです。